英ポンド/円相場は、2月26日の137.84円をボトムに、足元では140円台まで切り返す展開になっている。依然として直近高値147.98円(2月7日)は大きく下回っているが、再び円売り圧力が強くなっていることもあり、ポンド安・円高局面に対する修正が行われている。
3月7日にはイングランド銀行(英中央銀行)金融政策決定会合(MPC)が開催されるが、今会合で追加緩和策が打ち出される可能性は低いとみている。確かに、2月のMPC議事録では、キング総裁など3人が資産購入枠の拡大を主張していたことが確認されており、1月のマイルズ委員1人からは大きく増加している。資産購入プログラムに限らず、幅広い緩和策を検討していることが明らかにされており、MPCにおけるコンセンサスの中心点が徐々に追加緩和方向に傾いているのは間違いない。ただ、依然としてイタリア政局などに先行き不透明感が存在する中、追加緩和カードが今会合で切られる可能性は低い。追加緩和の流れそのものに変化はないとみているが、直ちに追加緩和に踏み切る程の危機感は乏しい。その意味では、MPCは特に材料視されないのがメインシナリオに、サプライズがあるとすればポンド急落という流れになると考えている。
円サイドでは、次期日銀正副総裁の所信聴取を終えて、短期的な材料出尽くし感が強い。引き続きイタリア政局や米財政問題に対する警戒感が、円安圧力を限定している。ただ、これらのリスク要因がこのまま顕在化しないのであれば、円方向からポンド安・円高が進むリスクは限定的だろう。引き続き、横ばいないし、若干のポンド安・円高を想定したい。
今後1週間の予想レンジは、138.00~142.50円。